【医療職・運営者向け】2026年介護報酬改定の要点と訪問リハが今打つべき5つの対策
- リハジョブゴー運営事務局

- 6月2日
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本稿では、2024年度(令和6年度)の抜本的改定から2026年度(令和8年度)6月の臨時改定、さらには次期2027年度改定を見据え、訪問リハビリテーション運営者が直面する課題と具体的対策を、医療専門職の視点で解説します。
1. 訪問リハを取り巻く制度変更
直近の改定では、単なる単位数の増減ではなく、「科学的介護(LIFE)の定着」と「多職種連携の深化」がより強く求められるようになりました。
①リハビリテーションマネジメント加算の抜本的再編
2024年度改定により、従来のリハマネ加算はLIFEへのデータ提出を前提とした体系に整理されました。特に、「リハマネ加算」の算定要件として、医師による詳細な指示や多職種が参加するカンファレンスの実施、そしてLIFEへのフィードバック活用が不可欠となっています。
②2026年6月:処遇改善加算の「訪問リハ」新設
2026年度の大きなトピックは、6月の臨時改定による**「介護職員等処遇改善加算」の訪問リハへの適用です。これまで対象外だった訪問リハ・訪問看護・居宅介護支援に対し、新たに加算率1.5%**が設定されました。これはリハ職の処遇向上に直結する一方で、算定のための事務手続きと「賃金改善計画」の策定が必須となります。
③訪問看護ステーションにおけるリハ職評価の厳格化
訪問看護からのリハビリ提供については、2024年改定で「理学療法士等による訪問」の単位数が引き下げられ、さらにリハ職比率が高い事業所への減算が強化されました。これにより、訪問リハ事業所(みなし含む)としての専門性がより評価される構造へシフトしています。
2. 訪問リハ運営への3つの主な影響
影響① 書類・データ提出業務の増加
LIFE提出、リハ計画書の精緻化等でPT/OT/STが書類業務に追われ、本来の「リハの質」向上や訪問件数が低下する。
影響② 人員構成要件のリスク化と加算リスクの増大
サービス提供体制強化加算等の要件(勤続年数・研修)の複雑化で1名欠員時の複数加算の算定不可リスクがある。
影響③ 「理学療法士等による訪問」の評価動向
訪問看護ステーションにおける看護師とリハ職のバランス、リハ職本体ステーションの評価の方向性は、2027年改正でも議論される見通しです。「リハ職比率の高い訪問看護ステーション」は中期的な事業構造の見直しが迫られる可能性があります。

3. 運営者が今打つべき5つの対策
対策①:書類業務の効率化と分担再設計
計画書・記録のテンプレ標準化
介護職員・事務員による下書き作成体制
LIFE提出を月初の固定タスク化(忘れによる評価を防ぐ)
電子カルテ・記録システムへの投資判断
書類業務を1名10時間/月削減できれば、訪問10件=売上5〜7万円/月になります。
対策②:人員配置のバッファ構築
報酬要件を維持するための「人員バッファ」の考え方が重要です。
常勤PT/OTの常勤ギリギリでの運営は報酬リスク
0.2〜0.5人月の余白を持つ運営に保留
スポット採用で繁忙時のバッファを機動的に作る
対策③:研修・経験年数の体系の管理
各PT/OTの経験年数・研修受講履歴をExcelで一元管理
加算区分別の要件マトリクスを作成
退職予定者の代替候補を事前リストアップ
手当区別が落ちると月数十万円規模の収益が変動するため、人事データの精度が経営の精度に直結します。
対策④:他職種連携体制の仕組化
退院時カンファレンス加算、医療連携体制加算などは、会議の開催実績と書面記録が要件です。
連携先病院ごとの担当MSW・地域連携室の情報整理
カンファレンス記録のテンプレ化
マネケア・主治医との連絡頻度の一時化
「やっているのに記録がない」状態が最も危険です。
対策⑤:売上構造の多角化
訪問リハの売上が一定業務に集中している場合、改定での影響が大きく出ます。
医療系訪問リハと介護系訪問リハの割合調整
退院直後の集中リハ(退院後3ヶ月以内加算)の積極受注
地域支援事業への参画などを検討
報酬改定の影響を分散させるための事業ポートフォリオの視点が重要です。
4.スポット採用が実現「改訂対応バッファ」
報酬改定後の事業運営で、PT/OTのスポット採用は次の役割を実行します。
書類業務集中日のフォロー:LIFE提出月初・月末にスポットPTを呼んで通常訪問をカバー
研修出席期間の代替:常勤PTが研修・学会出席する週にスポットでカバー
補足要件の経験年数バッファ:経験年数の長いスポットPTを定期的に呼ぶ
退職時即日対応:急な退職時、求人広告稼働までのつなぎ
月3〜5回のスポット採用予算で、改訂対応の運営余裕を確保できる事業者が増えています。
5. 2027年改訂に向けて中期視点で見るべきポイント
リハ職を中心とした訪問看護ステーションの評価動向
LIFE運用の強化と、アウトカム評価の本格化
認知症ケア・在宅看取りへの手当強化
人員構成要件と外国人介護人材の活用
ICT・遠隔リハの保険適用範囲
これらは政策の段階ですが、運営者は中期的に戦略を考えて対策を考えなければなりません。

6. よくある質問
Q. リハマネ手当の評価サイクルが危機化、現場の負荷感は?
A. 多くの事業者が月10〜15時間の追加業務を報告しています。テンプレ標準化と電子記録への投資で半減できるケースが多くあります。
Q. 2027年改訂への準備は今から始めるべきですか?
A. 改正が告発されてから対応するのでは遅いため、書類運用・人事データの整備は2026年内に始めるのが現実的なタイミングです。
7. まとめ ─ 「報酬改定は事業構造の変革タイミング」
介護報酬改定は、基本ルール変更ではなく事業構造を再構築する好機です。書類業務効率化、人員構成のバッファ構築、研修管理、連携記録、売上の多角化 ─ この5つを地道に整えれば、見直しで揺さぶられない強い訪問リハ事業を作ります。
そして、その過程での「人員のバッファ」を実現する現実的な手段が、PT/OTのスポット採用です。
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